インドでの生活の実態と感想
はじめに
今年1回もブログを更新していなかった事に気づき、技術的な内容ではないですが約半年ほどインドに滞在して感じた事を記事にします。 正確な内容を求める方には申し訳ないですが、本記事は私の主観が多分に含まれる内容になっております。
生活面
インドでの生活と聞くと非常に過酷な生活をイメージして身構えてしまいますが、日本人が名前を知っている大都市に限っては非常に発展しており生活に困る事は基本的にありません。
各都市に何人の日本人が居住しているかという情報は公開されていないため想像にはなりますが、wataru_indiaさんが言及されている下記順位表の人数は2023年現在において概ね正しいと感じます。
ちなみに、下記の順位表で日本人が1000人を下回る都市は日本人向けの飲食店などが乏しいため、生活に少し困る事が生じる印象があります。一方で日本人が1000人を超えるような大都市は大気汚染が深刻なため健康面での不安があります。
日本人居住者数ランキング(都市別)
1.デリーNCR:4000〜5000人
2.バンガロール:1500人ぐらい
3.ムンバイ:1000人ぐらい
4.チェンナイ:700〜1000人
5.アメダバード:300〜400人
6.プネ:100〜200人
7.コルカタ:50〜100人
8.ハイデラバード:20〜50人
参考文献1より引用
インド人へのお土産
インドに駐在される方やインドへ出張に行かれる方の中にはインド人に対して日本からお菓子等をお土産として持っていかれる方もいらっしゃるかと思います。無難なお土産は卵不使用のチョコレートですが、通常のチョコレートだとインドの気温で溶けてしまう場合もありベイクドチョコレートが良いと思います。
下記の表は私が見聞きした範囲での内容なので誤りがあるかもしれませんが、ベジタリアンのレベルは大きく3つに分類でき、最も厳しい人の場合は卵すら食べません。日本のお菓子には卵が含まれている事が多くお土産として持っていくと受け取って頂けない事があります。
名称 | 食べられる物 |
---|---|
ピュアベジタリアン | 完全菜食主義者で卵も食べない |
ベジタリアン | 菜食主義者ではあるが、卵に関しては食べる人もいる |
ベジタリアン以外 | 基本的に何でも食べるが、宗教的に大切な日だけ肉類や卵などを食べない場合がある |
インド人の時間感覚
外国人と接する機会の少ない純粋なインド人は約束の時間に少し遅れて行く事は常識であり、むしろマナーだと思っている節があるように感じます。インド人と待ち合わせする場合はその点を考慮する必要があります。
また、遅れる場合にインド人から「2分待って」と言われることが頻繁にありますが慣用表現であり、日本人が言う「ちょっと遅れます」ぐらいの意味合なので2分を超えても来ないことがあります。2分という数字に囚われず気長に待ちましょう。
インドでの暮らしで便利なサービス
インドには非常に便利なITサービスが多く、日本を凌駕するような物もあるのでご紹介します。
サービス名称 | 内容 |
---|---|
Blinkit | 食品や日用品の宅配サービス、安価かつ注文から数分で配達されるので非常に便利 |
Zepto | Blinkitと同じ食品や日用品の宅配サービス |
Ola | タクシーやオートリキシャの配車サービス、体感ではあるがUberより捕まりやすいと感じる |
Zomato | Uber Eatsの様なサービスで出前やレストランの席を予約する事ができる |
MAIN DISH | 日本の食材を購入する事ができるサービス、割高ではあるが日本人にとっては非常に便利なサービス |
食生活
インドの料理は基本的にカレー風味で、北インドの料理ほど辛い傾向にあります。日本人が食べやすい辛さ控え目なインド料理は南インドの料理に多いと感じます。また、ほぼ全てのインド料理にはパクチーが含まれており、パクチーが苦手は方は注文する際にパクチーを入れないよう依頼すると良いです。
日本人が少ない土地に駐在する場合は体調を崩した場合を考え、おかゆやポカリスエットの粉など病人食を作れる食材を持って行った方が無難です。現地の料理は辛い物や油っぽい物が多く体調を崩した際に食べ物で困る事があります。日本から病人食を持ってきていない場合はフルーツのみで耐えしのぐ事になります。
インドでの業務面
業務指示
インド人に業務を依頼する際にメールで指示を出す場合があると思いますが、メール1通で迅速に対応してくれるインド人は少数派と感じます。緊急で対応してほしい内容などはメールに追加して電話や対面で依頼した方が緊急性がインド人に伝わって対応してもらえます。
また、長文のメールは最後まで読んでもらえない場合が多いので、重要な依頼や期日などはメールの最初に記載した方が良いと感じます。メールの文面も1文に一つの指示を記載する事を心掛け、複数の依頼をする場合は複数文に分けて記載した方が良いです。
言語
インドの代表的な言語はヒンディー語ですが、インドにはヒンディー語以外にも複数の言語があります。非ヒンディー語圏の一部地域では過去にヒンディー語公用語化反対運動がされていました[2]。現在でもヒンディー語に対して良くない感情を持っているインド人がいます。そのため、南インドなどの顧客を訪問した際に安易にヒンディー語で挨拶すると不評を買う可能性があります。
インド人からの贈り物
外国人があまり来ない地域の顧客に訪問すると珍しい贈り物を頂く場合があります。お菓子類などであれば頂いたとしても持ち運びが容易ですが、まれに大きな花束や仏像を頂く事があります。そういった贈り物を拒否する事は難しく持ち帰る必要があります。
トラブル対応
インド人は外国人が訪問した際に歓迎する必要があるという考えを持っている人が多く、日本人がトラブル対応でご訪問させて頂いた場合でも歓迎するスイッチが入ってしまう事がごく稀にあります。そういった場合はトラブル対応の本質的な話まで及ばず1回のご訪問では問題が解決しない事があります。
難しい所ではありますが、こちらから話題を切り出して上手く場をコントロールする必要があります。
おわりに
本記事に記載している内容は私が人づてに聞いた内容や体験した事が中心になっています。主観が多く含まれており必ずしも全ての情報が正しいとは限らないので、ご参考程度に留めてください。
参考文献
[1] wataru_india, ‘‘日本人が増えてきた件, ” https://wataru-india.hatenablog.com/entry/2022/05/25/210824.
[2] 吉田 修, ‘‘特集:州政治と連邦政治 インドにおける政治発展の特徴, ” https://www.jstage.jst.go.jp/article/asianstudies/62/4/62_33/_pdf.